ねずみとくじら
ウィリアム・スタイグ(さく)
せたていじ(やく)
評論社
海が好きなねずみのエーモスは「かじり号」という
立派な船を造り、航海に出ます。
そして、大海原の真ん中で船から海に
投げ出され漂流していると くじらのボーリスに
助けられるのです。
哺乳類で一番大きなくじらと
小さなねずみが 親友になるのです。
陸のねずみと 海のくじらは
ずっと一緒にはいられませんが
お互いを思いあう心は海よりも深く
会えなかろうとも 深くつながっています。
そんな現実からかけ離れた関係なのにお話を読んでいくと
実感してしまうのです。
スタイグのお話はどこかとぼけたような絵なので
説教じみなくて すんなり入ってくるのでしょうか。
それだけでは無いですね、ストーリーも
つながりの温かさが感じられます。
不自然なのに 自然になっているといいましょうか。
独特の魅力を持った作家さんですね。
読むのに10~15分はかかるので
読み聞かせに小学校の高学年で読みました。
スタイグの絵本は他にも小学校高学年~中学校で
読みたいもの(こそ読めるもの)があります。
またご紹介させてくださいね。
このお話好きです。
長いお話ですが、内容が理解できる年齢なら、大人になっても心に残る話だと思います。
私は最初読んだときは友情の本だと思いましたが、今は別れの本だと思っています。
人は日々変化していく。
昨日の自分と今日の自分は、変わっているかもしれない。
それが長い年月ならなおさらのこと。
人生のある時期確実に気持ちが重なった人とも、それが最初で最後の交わりだった・・・なんてことがいくつも思い当たったりして。
でも、この「ねずみとくじら」は本当に素敵なお別れをしているんです。
その演出に作者の優しさがにじみ出ている気がします。
きのこちゃん
コメントありがとう~!!
さすがきのこちゃんだね。
生と死とがセット?のように
出会いと別れも 友達だね。
ねずみとくじらも お互いに会えない事を
分かっているんだもんね。
素敵な別れ方なんだよね。
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